【食材の辞書】Live cook~キュウセン(アカベラ、アオベラ)~

【食材の辞書】Live cook~キュウセン(アカベラ、アオベラ)~

【食材の辞書】とは?

あなたは「キュウセン」という魚を知っていますか?

ぜひこの【食材の辞書】で食材を知り、これからの食生活をより健康的なものにしましょう。

※)非常に長い記事なので目次から知りたい箇所に飛ぶことをお勧めします。

【食材の辞書】キュウセン

キュウセン

はい、僕はこの魚がそんなに好きではないです。何故か、「きもいから」。釣り人にもそれほど好まれてはいません。何故か、「きもいから」。実は食べるとおいしいです。何故か、「きもいから」。と、言うわけで食わず嫌いは良くないので【食材の辞書】今回は第三回「キュウセン」です。一般的に「ベラ」と呼ばれるのはこのキュウセンです。それではやっていきましょう。

特徴

この魚キュウセンは「アカベラ」と「アオベラ」の二種類がいます。そうです。ベラという魚の一種です。上の写真では緑色キュウセンがアオベラ(雄)一匹だけいる白っぽい色のキュウセンがアカベラと呼ばれています。

旬は夏です。関東地方では食べるという選択肢はなく、リリースさされる魚ですが、関西地方では食べられる魚です。瀬戸内のものは身がしまるため特においしくなります。皮にぬめりがあり、うろこは大きい部類ですが、大変はがれにくいため調理しにくい魚の一種です。

アカベラは体長20cmほどで、背面中央と体側に黒色の太い縦帯が入り、黒帯の内外に点線状の赤い縦線があります。この線の数が合計9本あるようだということで「キュウセン(九仙)」という名がつきました。 アオベラ(雄)は雌より10cmほど大きく体長30cm、それ以上になるものは滅多にいません。体色は鮮やかな黄緑色で、体側の縦帯がメスより広く不明瞭になります。

生息地域と生態

北海道から鹿児島をぶっちぎって南シナ海のフィリピンなどの島国がある場所まで広く生息しています。ベラは低温が苦手なものが多いですが、キュウセンは比較的低温に強く、温帯域に生息している数少ないベラの一つです。

写真の通り長い卵のような外見をしていて、硬いものでも食べられる出歯を持っています。日没になると砂に潜り眠るため夜に釣れることはあまりないです。朝になると起床して餌を探して活動を開始します。波の荒い日は釣れなくなりますが、荒波が海底の砂を巻き上げて海が濁るため、ベラが日没と間違えて砂に潜って寝ている可能性が高いですね。水温が13~15℃になると砂に潜り、冬眠を開始する。水温が14~15℃になると活動を再開する個体が多いです。

 産卵と成長

6下旬~9月頃になると一匹のアオベラ(雄)にアカベラ(雌)が集まってきて、砂場に産卵床を作り、雄が放精して砂で覆います。1年で7cm程になり成熟して、約2年程で約9cm、3年で15cmになります。また、一次雄の中には雌にまぎれて二次雄が作り出したハーレムで自分の精子を吹きかけ、受精させようとするのも珍しくありません(人間界ではちょっと考えたくないですね)。主に餌とするのはエビやカニなどの小動物です。

一次雄、二次雄に関しては次の「性転換」の項目で話します。

性転換

キュウセンのうちアカベラ(雌)の一部は体色も緑色になり、アオベラ(雄)に性転換します。これを二次雄といいます。アオベラは全てもともとアカベラの雌だったものが性転換した姿です。つまり、アオベラに雌はいません。一方で生まれながらのアカベラ(雄)もいてこちらは一次雄と呼ばれます。

アカベラの雄と雌の判断は見た目ではできないため、TOPの写真で白色の個体のものの性別を言わずに「アカベラ」だと言ったのは「アカベラ(性別不明)」だからです。要するに男の中にパーフェクトおなべがいるってことです。

分かりにくいかもしれないのでまとめます。

  • アカベラ(雌)の一部がイケメンアオベラ(雄)になります。(パーフェクトおなべ爆誕)
  • イケメンアオベラ(二次雄:おなべ)が他のアカベラ(雌)でハーレムを作ります。(百合展開)
  • アカベラ(一次雄:漢)の相手をできるアカベラ(雌)が少なくなります。(憤怒)
  • アカベラ(一次雄:漢)の中でアカベラ(雌)に紛れてイケメンアオベラ(二次雄:おなべ)のハーレムに入り込み、自分の精子を撒き散らすものが現れる。←new!!(逮捕)

という感じです。警察がいない魚の世界だからこそ許されることなので同じことがしたい方は魚になって人生やり直してください。

キュウセンを釣る

キュウセンの釣り方に関してです。関東地域の方はそんなもん知らんでええわ、と思う方も多いかもしれませんが関西地域の方のためにも書いておこうと思います。正直この「釣り方」だけで1記事かける量なので、記事を分けるか迷いましたが、これから先の魚も調べやすさを考えて分けないでおこうと思います。

釣り初心者の方へ

この項目を通して一番最初に言っておかなければならないことは釣りにおいては「現地の釣り人の意見>>この項目」だということです。現地で実際に釣りをしている方以上の情報はインターネット上にはないです。この項目を書いたのはあなたが現地の釣り人と対等に話し合えるようにするためのものだと思ってください。そのため専門用語も多用しますができる限り分かりやすく書いていきたいと思います。

また、安全性や、釣竿のセッティングなどの意味もこめてできる限り初回は釣りができる人に同伴してもらって色々と教えてもらってください。

狙うポイント

波打ち際の駆け上がりから沖まで生息しており、夜には砂地で寝るため地面は岩礁帯や砂地、藻も餌とするため、藻が浮いている所を狙うとよいです。砂地の防波堤やサーフ(砂浜)に行きましょう。テトラ帯などの消波ブロックからでも十分狙うことはできますがいかんせん根がかりしやすいのでサーフをおすすめします。

海底からかけあがり(傾斜面)にかけてを狙うといいでしょう。かけあがりの探し方は遠くにおもりを遠投してそのままリールを巻いて引きずっていくと、急にリールが重くなるタイミングがあります。それは砂を巻き込んでいるからで、そこが「かけあがり」です。

餌と時期、時間帯

キュウセンは日本の広い範囲に生息していて、冬になると冬眠するため夏~秋が狙い目です。また、夜は砂の中で寝ているため、朝から夕方までにかけて狙うとよいです。餌は、イソメやゴカイがあれば良いですが、高いのでオキアミや他のものでも普通に連れます。僕自身、業務用スーパーの短冊イカを使用したカサゴ釣りの外道として釣り上げたことが何度もあります。ただし、キュウセンを主体的に狙いたい場合はキュウセンの口にサイズを合わせて小さい餌、針を使いましょう。キツネ型のキス針がおすすめです。

ソフトルアー(ワーム)を使う場合は、ピンテールワーム(細いまっすぐしたミミズのようなもの)を2~3cmで切って使うといいです。ハードルアーを使う場合、キュウセンの口が小さいため針がひっかからないことの方が多いので止めておきましょう。

仕掛けと誘い方

魚によってある程度は決まってきますが、釣りにおいてこれだ!!という誘い方は決まっていません。自分に合った釣り方、自分がよくいく釣り場に合った釣りを探ることを常に心がけてください。また、大体でいいので自分が行く釣り場のタナ(水深)を把握しておきましょう。着水から30秒で海底に着いたなら20~30秒が下層、10~20秒が中層、0~10秒が上層といった具合です。

基本的にはキス(魚)釣りと同じ仕掛けで大丈夫です。キュウセンがいるのは中~下層なので、消波ブロック(テトラ帯)、防波堤やサーフ(砂浜)から狙う場合でも根がかりが多いなら「捨ておもり式ぶっこみ仕掛け」、ほぼほぼ根がかりがないのであれば「ジェット天秤仕掛け」をおすすめします。

捨ておもり式ぶっこみ仕掛けと誘い方

捨ておもり式胴付き仕掛け
画像引用:http://nessaw.com/ぶっこみ釣りで根掛かりしにくい方法/

この画像が「捨ておもり式ぶっこみ仕掛け」です。釣りに詳しい人なら見ただけで何がしたいのか分かってもらえると思いますが、一番根がかりの原因となりやすいのは「おもり」です。そこでこの仕掛けではおもりが根がかりした際に、おもりを切り離して針を回収することができます。おもりをつける捨て糸は40cm~1mで調整してください。ちなみに3本の糸が接続された歯車のようなものは「三又サルカン」といいます。

誘い方ですが、消波ブロックから狙う場合「穴釣り」をおすすめします。カサゴが釣れたりしますがおいしいのでまぁ、いいでしょう。穴釣りは竿が届く範囲の魚がいそうな場所に仕掛けを2~3秒垂らして回る「足で稼ぐ釣り」です。

波打ち際も狙えますが荒波の場合即効で根がかるのでできる限り流れが揺るやかな場所を狙いましょう。少なくとも消波ブロックから遠投してテトラ帯の中~下層を引くよりは根がかりを少なくできると思います。海底に着水する前に、竿の動きで仕掛けを適当に動かして誘いを入れられれば、根がかりをより減らすことができます。

サーフ(砂浜)からかけあがり(傾斜面)を狙う場合は根がかりがすくないので基本的な誘いができます。詳しくは次の項目で説明しますが、初心者がこれをテトラ帯や岩礁帯でやるとほぼ根がかりするので止めましょう。

ジェット天秤仕掛けと誘い方

ジェット天秤仕掛け
画像引用:http://nessaw.com/ぶっこみ釣りで根掛かりしにくい方法/

この画像が「ジェット天秤仕掛け」です。先ほどの「三又サルカン」とおもりの代わりに普通のサルカンと天秤がついていてその中でも「ジェット天秤」と呼ばれるものが付いています。天秤はおもりの代わりになり、仕掛けの絡まりの頻度を抑えたりする効果もあります。ジェット天秤はリールで巻くと浮き上がるという特性も持っているため根がかりを少なくすることができます。ただし、飛距離を出しにくく、安くても1個150円ほどのもののほうがいいです。

ジェット天秤仕掛けを穴釣りで使うのはおすすめしませんが、使いたい場合は捨ておもり式ぶっこみ仕掛けの時よりもシビアに波の緩やかな場所を探してください(高いので)。仕掛けは動かせば動かすほど根がかりしやすくなるのでぼけーっと待つことも大切です。

ジェット天秤仕掛けは防波堤やサーフ(砂浜)から海底のかけあがりに向けて投げるのがおすすめです。中~下層にキュウセンはいるので先ほど触れた基本的な誘いを試してみてください。

  • まず、海底に仕掛けを落とします。
  • 50~100cmほどリールを巻いて斜め手前上に餌を持ってきます。
  • その位置から餌をゆっくり海底に沈めるために2~3 秒リールを巻くのを止めます。
  • 海底まで落ちたらまた50~100cmリールを巻いてそれを繰り返してアタリがなければ再び投げます。

これが基本的な誘いです。誘いにおいて一番重要なのは海底にある餌の動きを思い描くことです(ワームを使う場合更に重要です)。今回のキュウセンは中~下層なのでこれが中下層を攻める基本的な誘いになります。一回目のリールの巻きを多くすれば中~上層を攻めることができますし、より大きく、より長く待てばより大きな誘いになります。

キュウセンは口が小さいので、餌を突くだけということが多いですが、喰いつけば確実に分かるほどの分かりやすい引きがきます(具体的にとか言わないでね?)。引きを感じたらすぐにキュウセンの口にしっかりと針が刺さるように竿を立てて、リールを巻いていきましょう。

環(丸穴)と糸、ジェット天秤の結び方

今回紹介した2つの仕掛けは環(丸穴)と糸を結べればに作れる仕掛けになっているので、環と糸を結ぶ時の個人的におすすめの結び方を紹介しておきます。それが「パロマーエイトノット」です。多分知ってる人はそれほどいないのでひとまずこちらの11番目を参照ください。僕の知りえる中では早くて最強の環と糸の結び方です。丁寧に画像つきで説明していただいているので初心者の方でもできると思います。

ただし、この結び方の開発者様も懸念されているように「最強=最善」という考えは捨ててください。根がかりした時には糸が解けて回収しやすい「最弱=最適」になるときもありますし、他にも最善の選択肢はいくらでもあると思います。僕はこの結び方をおすすめしますが、他の結び方を否定するわけではないです。

天秤
画像引用:http://www.geocities.jp/msknturi/kawahagi03.html

では、ジェット天秤の結び方ですが、天秤の結び方と同じなため天秤の結び方を紹介します。手順を間違うとパロマーエイトノットで結べない可能性があります。下側から伸びている灰色の糸が仕掛けや針を繋いだ糸です。最初にこの糸に新しいサルカン1の片側の環を結び付けます。次に、新しい糸(オレンジ色)の先に新しいサルカン2の片側の環を結び付けます。結べたら最終的にオレンジ色の糸の長さが10cm程になるように糸を切り、天秤の黒い方に付いた環境にオレンジ色の糸を通してサルカン1の反対側の環に結び付けます。画像の上から垂れている黒い糸がリールにつながる導糸でが、これを天秤の浮き(赤色)側の環を通してかつシモリ玉(ビーズ)も通してサルカン2の反対側の環に結び付けます。

時間がない方のための釣り方まとめ

いやね、もうほんとこんだけアホみたいに書いておいて、今更言うかって話なんですけど、ベラ(キュウセン)なんて狙わなくともそこらへんのトイレに釣竿垂らせば釣れますし、あまりにも普段は狙わない&邪魔な魚なんで初心者の方が「ベラ釣りたいんですけど」とか言って来た日には確実に僕の頭はフリーズします。

まぁ、教えますけど、心底丁寧に教えますけども。ずっと頭の隅には「俺何やってんだろう」と思うくらいカサゴなんて狙った日には勝手に釣れてくれます。なのでそんなに張り詰めなくても、大きく間違っていなければ、バナナ食いながら待ってれば勝手に釣れてくれます。では、一旦まとめます。

  • 初夏から秋にかけてが釣れやすく、中下層にいて、昼から夕暮れまででよく釣れる。
  • サーフ(砂浜)から藻が浮いたかけあがりに向けて投げるといい。
  • 餌や小さいものまたはピンテールワームを使用し、キス用のキツネ型針を使う。
  • 消波ブロックから狙う:捨ておもり式ぶっこみ仕掛けで穴釣り。
  • 根がかりしやすい防波堤やサーフから狙う:捨ておもり式ぶっこみ仕掛けで遠投して誘いながらリールを巻く。
  • 根がかりしにくい防波堤やサーフから狙う:ジェット天秤仕掛けで遠投して誘いながらリールを巻く。
  • 環と糸の結び方はパロマーエイトノットがおすすめ。

PS.バナナよりりんご食ってた方がよく釣れるという情報をいただきました。

釣った魚の絞め方

注)ここから先は魚の血を伴う内容になります。苦手な方は読み飛ばしてください。

 

魚を釣った場合そのままの状態でいると、最悪の場合には家に帰るまでに魚が腐ります。新鮮なまま持って帰るために「締め」と「血抜き」、「神経締め」、「一時冷凍」を行いましょう。ここでは個人的に一番わかりやすいと思った「津本 光弘 mitsuhiro tsumotoさん」の動画を4本紹介させていただきます。その他の動画もとても分かりやすかったのでぜひご覧ください。

まず「締め」です。神経締めをしたいのですが、締めや血抜きをしないまま神経を締めようとすると、血の通った魚が暴れてまずくなるので、その応急的な対処が締めです。締めが決まった際には15分程度であれば暴れなくなります。下の動画でははさみ、アイスピック、ナイフでの締め方を紹介されています。

次に「血抜き」です。これをすることで魚の生臭さを軽減することができます。エラと魚の尾の部分を切断することで、魚にストレスをあまり与えずに効率よく血抜きが行えます。特にエラの切断などは僕も最初のころはどこを切れば良いのかよく分かりませんでした。動画を見ていただければすぐ理解してもらえると思います。

そして「神経締め」です。神経を締めることによって、より長い間魚の鮮度を保つことができます。動画で紹介されてらっしゃるのは「形状記憶ワイヤーの0.8mm」です。

最後に「一時冷凍」です。ここまでの全ての工程を現地でやるのがベストですが、めんどくさいという方は次の動画が非常に参考になります。上のその他の工程で行ったことは家に帰ってからしましょう。

非常に分かりやすい動画ありがとうございました。

キュウセンを飼育する

キュウセンはベラの中でも「カンムリベラ亜科」という種類になります。僕は海からこの緑色の魚が海から現れるのが嫌なのですが、水槽で飼う場合にはこの鮮やかな緑色は非常に良いと思います。更に、キュウセンは丈夫で飼いやすく、混泳(他の魚と一緒に飼う)ができるためおすすめです。

選び方ですが、釣りで釣ったものは弱らせてしまっている可能性が高いのでおすすめしません。また、飼育の際は白点病にかかっていないものを選んでください。キュウセンを飼うのは海水なので、海水性白点病にかかります。(白点病にはもう一種類淡水性白点病があります。)

まず、白点病とは魚を飼育する上で最もメジャーな病気の一つで、人間で言う風邪のようなものです。ストレスなどの外的要因により引き起こされますので、環境を変えない限り再発して、体に白い点のようなものができます。寄生虫による病気ですが、白点病を放置していると餌を食べなくなり最終的には死んでしまいます。また、長くなればなるほど回復の見込みが低くなっていき、他の魚にも感染するため早期発見早期治療を心がけましょう。白点病には海水性白点病と淡水性白点病があります。

海水性白点病は海水で魚を飼っている場合、クリプトカリオン・イリタンスという寄生虫によって引き起こされる病気で、白点病の一種類目です。この寄生虫が好む水温が27℃以上なので、低温にしたほうが海水性の白点病は治りやすいです。(淡水性白点病の場合は寄生虫が違うため、高温にしたほうが直りやすいです。

キュウセンは海水に住むので淡水性白点病にはかからないので淡水性白点病の概要や対策は省きます。また、この飼育の項目では「白点病にかかりにくい環境づくり」については解説しますが、病気になった後のことについては解説しません。なぜなら、あなたが白点病だと思った病気が白点病ではない可能性があり、その場合にこの項目を見て白点病用の対処をしてしまった場合、更に症状が悪くなる可能性があるためです。

人間やペットが病気になった場合、普通は医者に診てもらいますよね?魚も同じです。知人に詳しい人がいれば直接診てもらうほうがいいですが、知人にいない場合にもありがたいことに今のネット社会では知恵袋などで比較的簡単に親切な方に病気を診てもらうことができます。もちろん、全てが正しいとは言いませんが自分一人で考えるよりは何かの参考にはなると思います。例え魚であっても「生き物を飼う」ことに代わりはないので責任を持って面倒を見てあげてください。 

病気にかかりにくい環境づくり

では、病気や白点病になりにくい環境づくりです。水槽はキュウセンが遊魚で餌をよく食べる魚だということを考えて、60cm以上のオーバーフロー水槽を検討してください。もしくは上部ろ過槽でも大丈夫です。どちらも海水魚専用のもので、できればフタ付きのものが望ましいです。あげる餌は市販の配合飼料でも大丈夫ですが、キュウセンは砂にもぐって眠るので底にはパウダー上の砂を7cmほど敷いてください。

水温は海水性の白点病予防のために、23~26℃を保ちましょう。また、殺菌灯や水流ポンプ、濃度を調節したヨウ素を入れることなども白点病の予防につながります。一週間に一度は水槽の1/3の水を入れ替えるようにしましょう。

水あわせと必要な道具まとめ

魚が届いたら「水あわせ」をした後で水槽に魚を入れましょう。温度を調節する際にはエアコンでできないこともないですが、専用のヒーターとクーラーを買うのをおすすめします。手順は以下の通りです。

  1. まず、水を作ります。バケツに水道水とカルキ抜きを入れて、その水に人工海水の素を入れて人工海水を作ります。
  2. その水を溶かし残しがないように完全にかき混ぜ、比重計を使って濃度を1.020~1.024になるように調整します。
  3. 水槽に作った海水を魚が入った袋が漬かるぐらい入れて、その温度が23~26℃になるように調整します。
  4. 水槽に袋のまま50分程漬けて温度を合わせたら、魚の入った袋に海水を少しずつ入れて馴れさせます。
  5. 袋の中の水は捨てて、袋から魚を水槽に入れて、23~25℃に調節した人工海水を足していきます。

これで完成です。水変えの際には1と2で濃度調節した海水の温度を調節したものを、水槽の中の水を少しずつ捨てながら入れていきます。多くても水替えは全体の1/3までにしておいてください。

では、使った道具を見ていきましょう。

  • 海水魚専用のフタつきの60cm以上のオーバーフロー式水槽もしくは上部ろ過槽。
  • 市販の配合飼料と底に敷くパウダー状の砂。
  • 温度計と比重計、温度を保つためのヒーターとクーラー装置(エアコンでも可)。
  • カルキ抜き剤と人工海水の素。
  • 殺菌灯、水流ポンプ、ヨウ素(必要であれば)。

ダイエットと美容(なし)

本来であればここでババンッ!!と栄養素とか色々出したいんですが、いくら探してもキュウセンの栄養素などが分かりませんでした。今後もし見つかればこの項目は更新したいと思います。情報があればコメントにて提供していただけると助かります・・・(2018/2/20)

まぁ、ダイエットのためにキュウセン食べよう!!って人はいないと思うので良しとしましょう。

キュウセンを調理する

入手法と価格

多分、釣りをする方であれば適当に釣って入手できると思います。関東ではほぼ食べられない魚なのでスーパーなどではほぼ入荷しないですが、値段は安いです。逆に関西では珍味として扱われるので、やや高値で販売されています。通販でも買えますが、あまり販売されない魚なので、お店で見つけたときに購入するぐらいが良いと思います。一匹数百円ほどです。

選び方

一般的な魚の目利き

さて、魚の目利きですがこれは市場やお店で購入する場合ですね。まず、基本的な魚の目利きをご覧ください。

  1. 目は青みがかったツヤがあり、レンズのように丸くふくらんでいて黒目がハッキリしたもの。
  2. 全体としては、ふっくらしたぬめりと張りがあるもの。また、腹を指で押して弾力があるもの。
  3. エラは鮮やかな赤で、すっきりしていて押しても血液が出ないか、新鮮な血液がでるもの。
  4. 生臭くないもの。

他の魚でも言えることですが「一番新鮮なもの=一番おいしいもの」というわけではないです。なぜなら魚のうまみ成分をもっとも引き出せるのは、取れてから少し経ったものだからです。私はこれが魚の目利きを難しくしている一番の要因だと思います。新鮮な身の触感を取るか、純粋な身の旨さを取るかは魚によって分かれるところではありますが、基本的には青物などの身が固いものは新鮮さを取るほうが良いです。

キュウセンの目利き

基本的には上記の番号に当てはまるものが良いですが、キュウセンはぬめりと生臭さがある魚なので2番のぬめりと4番の項目はそれほど意識しなくて良いです。また、キュウセンのような白身の魚は身の旨さ、取れてから少し熟成しいるものを選ぶようにするといいです。大雑把に言えば、上記の項目から少しだけ外れているものとなります。

 

下ごしらえ

では、下ごしらえです。料理をする方はここからが本番なのではないでしょうか?

キュウセンは体の表面にぬめりがある魚でそこそこ生臭いです、このぬめりによって他の魚以上に鱗を落としづらいということ、そして生臭いということがこの魚が嫌煙される原因の1つだと思います。そこでこの魚のぬめりと生臭さを軽減する方法ですが、答えは「」と「」にあります。

まず、多目の塩でキュウセンのぬめりを取って鱗を落としたら、三枚に下ろしていきます。まだ臭うと思うので酸性の調味料でもみ洗いましょう。醤油やお酢がいいです。内臓を料理に使う場合はできるだけ傷つけないように内臓を取り出してください。

実はキュウセンの調理には裏技があります。その方法とは熱を加える時限定ですが、ぬめりと生臭さと内臓、頭だけを取るという方法です。キュウセンの鱗は非常に密集しており、煮付けたときなどは皮を引っ張ると皮と一緒に鱗まで付いてきてくれるので、ぬめり、臭い、内臓だけを取っていれば大丈夫です。以下の項目で「三枚下ろし」と「皮引き」についてお話しますが、刺身で食べたいときなどはちゃんと以下の下処理をおこなってください。

三枚下ろし

三枚下ろし
http://www.nissui.co.jp/recipe/fish/school/bui/index.html 様より引用

三枚下ろしや魚の捌き方に関して苦手な印象を抱いているあなたは一度やってみましょう。もちろん技術で差は分かれますが、三枚におろすだけならとても簡単です。また、カサゴなどとげが刺さる魚は初めに背びれ等をはさみで切り落としておくと良いです。では手順です。

  1. 鱗まで落としたら、両側のエラの裏から包丁を入れて頭を切り落とします(力技)。
  2. 本体に入っている内臓を引き抜いて、血合いまできれいに水洗いします。
  3. まず、腹側に切込みを入れます。片面の内蔵があった箇所に中骨と接触するまで寝かせた包丁を差し込みます。
  4. 差し込んだら包丁を寝かせたまま尾の方にスライドさせながら切ります。(背中まで包丁を貫通させない)
  5. 身の片面を骨から外します。尾に包丁を入れ、尾を片手で押さえつけます。
  6. 包丁を中骨に当てながら頭の方に、やや下方向に力を入れながらスライドさせてください。
  7. 最後にその片面の尾を切り離します。
  8. 反対側の身も同様に行いますが、背中→腹の順に切り込みを入れるとやりやすいです。
  9. 腹骨を切り落とします。腹骨に包丁を入れ、できるだけ身を落とさないように透くように切ってください。

三枚下ろしは3、4、9番で技術が分かれます。特に9番は練習するしかありません。

皮引き

皮引き

皮引きとはさきほど切り落とした身と皮を切り離す作業です。基本的には刺身で食べる場合に行い、更に皮引きをするかどうかは魚によって異なりますが、キュウセンのような色鮮やかなものは皮を引いておいたほうがいいでしょう。ぬめりがあるのでぬめりをしっかりと取ってから引くようにしてください。

  1. まず、三枚に下ろしておきます。(上記参照)
  2. 小骨を抜いておきましょう。指で下ろした身の中心線を探りながら骨抜きを使って抜きます。
  3. 骨を抜く際には反対の手で身を押さえて、骨抜きをゆすりながら、腹骨のある少し先まで抜きます。
  4. では、皮引きです。指で皮をしっかり持てるようになるまで、頭のほうの皮と身を包丁で切り開きます。
  5. 指で皮をしっかり持って、包丁の背で押し付けながら尾の方にスライドさせます。
  6. 最後に尾のほうの皮と身を切り離しましょう。

皮を引くときに失敗する方の多くは、皮を押さえつける力が弱いか、包丁の背で押し付ける力が弱いかです。これも三枚下ろしと同じく、練習して覚えるしかないところはあるので、おいしい刺身を食べるためにも何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼ぶよ~挑戦して上達しましょう。

保存方法

保存する場合にはできれば三枚まで下ろしてからのほうがいいですが、丸のまま保存するよりは内臓などを取りきってからにすると段違いで味の質が保てます。また、クッキングペーパーで水気をふき取って、腹にクッキングペーパーを詰めてクッキングペーパーで包んで、ジッパーなどで密閉しておきましょう。昆布で挟んだり(昆布締め)、調味料で味をつけておくことも有効です。

冷凍する場合には金属製のもので魚を挟む、冷蔵の場合にはチルド室で保管するといいでしょう。冷蔵で2~3日、冷凍の場合2~3週間、調味したものは冷凍で4週間程であれば大丈夫です。解凍する場合にはできる限りストレスをかけないように、冷蔵庫でゆっくりと解凍しましょう。

キュウセンを使った一押しレシピ

キュウセン(魚)を使ったレシピには多種多様なものがあり、全部を紹介するのはさすがに厳しいので(まぁ、紹介してもいいですが)止めておきます。

先ほどの三枚下ろしで骨と内臓と魚肉に分けたのでそれぞれ解説しようと思います(皮と小骨は流石に捨ててください)。まずは骨からです。

骨せんべい(塩味)の作り方

食べる際にはしっかりと噛んで喉に刺さらないようにしてください。魚の骨のレシピで有名なのは「骨せんべい」ですね。骨せんべいは基本的に小魚の骨を使うのですが、キュウセンのようなサイズの魚でも大丈夫な方法を紹介します。

【材料】

  • キュウセン(魚)の骨と腹骨
  • 塩と胡椒(適量)、醤油やマヨネーズ(好みで)
  • 揚げる用の油
  • 薄力粉と片栗粉を1:1で合わせたもの(衣粉)
  • キッチンペーパー

【作り方】

  1. 魚と腹骨に塩を振り、少し寝かせてレンジで柔らかくなるまで少しチンします。
  2. チンできたらキッチンペーパーで水気を完全に拭き取り、塩とコショウで味を見ます。
  3. 衣粉をまぶして160℃までの油で、浮き上がってくるまで触らずに揚げて取り出します。
  4. 最後に180℃ほどの温度でもう一度揚げれば完成です。醤油とマヨネーズはお好みで。

揚げ物なので、油の温度の見方を表にしました。参考にしてください。

油の温度 さいばしで計る衣で計る 
150~160℃(低温) 細かい泡が上がるなべ底に沈んで少ししてから浮き上がる 
170~180℃(中温)泡が絶え間なく上がる 半分ほど沈んですぐに浮き上がる 
190~200℃(高温)大きな泡が勢いよくあがるほぼ沈まずに浮き上がって色づく 

内臓のなめろう

内臓なんてすりこぎで摩り下ろしてしまえばなんにでも使えるんだよ!!!と、いうことで内臓丼の作り方です。内臓を料理に使いたい場合には取り出すときにできるだけ傷つけないようにしてください。

【材料】

  • キュウセン(魚)の内臓
  • 刻みねぎ
  • しょうがとにんにく・・・・(少量)
  • その他好きなハーブ、香草類(適量)
  • 醤油・・・・・・・・・(大さじ2杯)
  • みりん、酒・・・・・・(各大さじ1杯)
  • 味噌・・・・・・・・・・・(適量)
  • 塩・・・・・・・・・・・・(適量)

【作り方】

  1. 内臓を料理に使う場合には、まず臭みを抜かないといけません。
  2. 血管を取れれば一番ですが、水で地を洗い流しておきます。
  3. 内臓を塩で揉みほぐして、醤油とみりんと酒を合わせたものに漬けておきます。
  4. すりこぎがあれば内臓とハーブ、香草、にんにく、しょうが、味噌を摩り下ろします。
  5. (なければ内臓は刻んで包丁の背で叩いて、その他はみじん切りにします。)
  6. 4(または5と味噌)をフライパンで炒めて味を見ます。
  7. 最後に刻みねぎを振りかけます。

ベラの煮付け

正直なところこれまでの手順を踏んで三枚に下ろした、もしくはべラを初めて食べる方には刺身をおすすめします。と言っても刺身は切るだけなのでここでは煮つけを紹介させてください。ベラを煮付けにする場合の下処理としてはぬめりと臭み、内臓と頭だけを取っていれば大丈夫です。ぬめりは塩でもみ、臭みは醤油やお酢で揉み洗えば落ちます。

【材料】

  • キュウセン(魚)
  • しょうが・・・・・・・・・・・・(適量)
  • 砂糖・・・・・・・・・・・・・・(大さじ1杯)
  • みりん、酒・・・・・・・・・・・(各大さじ2杯)
  • 醤油、水・・・・・・・・・・・・(各大さじ3杯)
  • 塩(臭み抜き用)・・・・・・・・(多め)

【作り方】

  1. キュウセンの皮には臭みがあるのでまず大量の塩でもみ洗います。
  2. 水で洗い流して臭みが取れたらフライパンに全ての材料を入れます。
  3. 上からキッチンペーパーなどで落し蓋をした状態で強火で5分煮詰めます。
  4. 落し蓋を外して、スプーンで魚に煮汁をかけながら更に煮詰めていきます。
  5. 煮汁が好みのとろみになるまで煮詰めたら完成です。

※)うろこは取らなくても煮付けた後にスルリと外れます。更に、そのうろこまで食べられます。

時間がない人のためのキュウセンの要点

  • 緑色のキュウセンをアオベラ、白色のキュウセンをアカベラと言う。
  • 釣りで狙いたいときは初夏から秋、昼間を狙う。
  • パロマーエイトノットという環と釣り糸を結ぶ結び方を覚えよう。
  • 飼育する場合は海水性白点病(高温で菌が繁殖)に注意。
  • 目に青みがかったツヤがあり、丸くふくらんでいて黒目がハッキリしているものが新鮮な証。
  • エラは鮮やかな赤で、すっきりしていて押しても血液が出ないか、新鮮な血液がでるものが新鮮な証。
  • 刺身で食べるなら三枚下ろし、皮引きをする。煮つけならそのままでOK。
  • 臭みとぬめりは「塩」と「酢」を駆使して取り除く。

※この記事は2018年2/20日に書かれました。


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